Dr. ARIYOSHI

有吉 秀樹

(獨協大学経済学部経営学科 教授)

Dr. Ariyoshi

1973年 神奈川県茅ケ崎市生まれ。
1997年 早稲田大学法学部卒業。株式会社富士銀行(現:みずほ銀行)にて融資・外国為替業務に携わる。その後、研究者の道に転身。
2004年 早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了。
博士(学術)。
2006年 獨協大学経済学部に奉職し、2016年より現職。


長年にわたり墨田区を中心に中小企業の経営支援コンサルティングを実施、ベンチャー企業の設立やスタートアップ時の経営にも積極的に参画するなど、アカデミックとビジネスのシナジーを目指して活動している。また、近年では、経営で培った知見を地域活性化に応用する手法にもその関心を広げている。

著書に『マーケティングの新視角~顧客起点の戦略フレームワーク構築に向けて』 創成社 2014年、『自分の「軸」を作る セルフ・ブランディング~経験に学ぶ戦略的キャリアの形成』(編著) 中央経済社、2013年、『コーポレート・ブランド価値計測モデルの提唱』白桃書房 2008年、『企業価値向上のマーケティング戦略』中央経済社 2007年、『現代マーケティングの革新と課題』(分担執筆)東海大学出版会 2005年 がある。

マーケティングを通じて真の自己の確立を目指す!

当ゼミの演習課題であるマーケティングは、消費者が何を望んでいるのか、そのニーズを理解し、それをどのような形で製品やサービスとして提供すれば企業の売上が向上するかを戦略的に考える学問である。ただし、マーケティングは単なる学問のための学問ではない。なぜなら、マーケティングの学習をする者は消費者、企業について深く考察しなければならず、そのような、物事に対して意識して深く考察する姿勢は、皆さんの今後の人生や社会で働く際に極めて重要となるからだ。

皆さんはコンピテンシー・レベルという言葉を知っているだろうか?
米国で開発された指標であり、人間の行動特性を5つのレベルに区分している。

レベル1:どんなに追い込まれたとしても、言われなければやらないレベル
レベル2:追い込まれれば、言われなくてもやるレベル
レベル3:言われなくても状況を判断し、最善の策を実行するレベル
レベル4:現状に対し独自の問題提起ができ、周囲に影響を与えられるレベル
レベル5:現状に囚われず、全く新しい仕組みを作ってしまい、周囲を認めさせるレベル

5つのレベルの行動の違いが判るだろうか?レベル1や2には全く能動性が感じられず、レベル3も所詮は決められた枠内のことをやっているに過ぎない。それに対し、レベル4や5には創造や変革の視点が入っている。実は業界を問わず、社会で必要とされ活躍できる者とはレベル4や5の人材のみであり、その出現率は5%以下と言われている。そのような人材になるためには、単なる知識の習得といった高校までの学習の延長だけでは明らかに足りない。日頃からいかに意識して思考し行動しているかが問われる。我がゼミでは「No Change,No End(変わろうという意志が成長の原動力)」という理念の下、ゼミ活動を通じて、このような社会で活躍できる人材の輩出に努めている。

以下に講義概要を述べるが、下記は単なるツールに過ぎない。我がゼミで最も重要なのはツールではなく上記のスピリットの部分である。そのことを理解できる人材を求む。

1.ケーススタディ学習

テキストは無く、春・秋で各3~4社ずつ企業や商品を採りあげ、班に分かれてマーケティング戦略を立案する。戦略の正解は1つではない。同じテーマを追っているにもかかわらず、班によって戦略が異なってくるところがマーケティングの醍醐味でもある。2年次には必ず学内のプレゼンコンペに出場し、自身の成長を実感できることだろう。

ゼミでの学習成果はゼミ内・学内だけでなく、外部で認められてこそ本物である。特に3年次以降は、選考有のインターンシップへの参加をはじめ、教員から提供される場ではなく、自ら主体的に外に活躍の場を求めてほしい。

2.後輩指導や運営を利用した人材育成

ゼミ生は、新ゼミ生の採用から教育方針の策定、個々の課題の指導に至るまで、ゼミ内のありとあらゆるタスクに対し、主体的な参加と建設的な意見の提示を求められる。そこから先輩としての自覚と責任ある行動が生まれると共に、自己が確立され、他者へ影響を与えうる人物が育成されるものと信ずる。

有吉先生からのコメント

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